Difyワークフロー超入門ガイドAIで業務を自動化!初心者向けワークフローの作り方・使い方を徹底解説

近年、AI技術の進化は目覚ましく、特に大規模言語モデル(LLM)は、私たちの働き方を大きく変化させています。 中でもDifyは、LLMを活用したAIアプリケーションをノーコードで開発できる革新的なプラットフォームです。

そして、Difyの真髄とも言える機能が「ワークフロー」です。ワークフローを効果的に使えば、複雑なタスクを自動化し、業務効率を劇的に向上させることができます。

この記事では、Difyのワークフロー機能について、以下のポイントを分かりやすく解説します。

目次

Difyワークフローとは?

ワークフロー機能とは?

Difyワークフローは、複雑なタスクを自動化するための機能です。

「ノード」と呼ばれる処理の単位を繋ぎ合わせることで、様々な自動化処理を簡単に構築できます。

例えば、以下の高度な処理も、Difyワークフローを使えばノーコードで実現可能です。

  • 顧客からの問い合わせ内容をAIが自動で解析し、FAQから回答を生成して返信する
  • ブログ記事のテーマを入力すると、AIが自動で記事の構成案を作成する
  • 毎日、最新のニュース記事を収集し、指定のキーワードが含まれる記事をSlackに通知する

チャットフローとの違い

Difyには、ワークフローと似た機能として「チャットフロー」というものがあります。

[チャットフローとワークフローの違いを説明する図や表を挿入]

機能      チャットフロー      ワークフロー
目的      会話型AIアプリ開発    自動化処理、バッチ処理
処理の流れ      会話の流れに沿って処理を実行    定義されたフローに沿って処理を実行
主な用途    チャットボット、FAQ応答、カスタマーサポートなど    データ分析、コンテンツ生成、業務自動化、API連携など

チャットフローは、会話形式でユーザーとインタラクションを行うAIアプリケーションの開発に適しています。 一方、ワークフローは、自動化処理やバッチ処理など、より広範なタスクの自動化に活用できます。

Tom

チャットフローは会話、ワークフローは自動化できる機能と覚えましょう!

Difyワークフローでできること

Difyワークフローは、アイデア次第で様々な可能性を秘めています。 ここでは、代表的な活用例をいくつかご紹介しましょう。

質問回答システムの構築

Difyワークフローを使えば、高度な質問回答システムを簡単に構築できます。

ユーザーからの質問をAIが理解し、ナレッジベースから関連情報を検索、LLM(大規模言語モデル)を活用して自然な回答を生成し、ユーザーに提供するといった一連の流れを自動化できます。

活用例

  • 社内FAQシステム:従業員からの質問にAIが自動で回答
  • 顧客向けヘルプデスク:顧客からの問い合わせに24時間365日自動対応
  • 授業支援システム:学生からの質問にAIチューターが個別指導

コンテンツ生成の自動化

ブログ記事、SNS投稿、広告コピー… コンテンツ作成は時間と手間がかかる作業ですが、Difyワークフローを使えばコンテンツ生成を自動化できます。

活用例

  • ブログ記事の自動生成:キーワードと構成案を入力するだけでAIが記事を執筆
  • SNS投稿の自動作成:新製品情報を元に、SNS向けの投稿文面を複数パターン生成
  • セールスレターの自動作成:ターゲット顧客の属性に合わせて、AIが最適なセールスレターを作成

タスク自動化で業務効率UP

日々のルーチンワークに時間を取られていませんか? Difyワークフローは、様々なタスクを自動化し、大切な時間を他の重要な作業に費やすことができます。

活用例

  • データ入力の自動化:Webフォームから収集したデータを自動でスプレッドシートに転記
  • 請求書発行の自動化:売上データに基づき、請求書を自動で作成・送信
  • 顧客管理の自動化:顧客情報に変更があった場合、CRMを自動更新

データ分析を自動化

Difyワークフローは、データ分析の分野でも強力な力を発揮します。

大量のデータを自動で収集・分析し、レポート作成までを自動化することで、データに基づいた意思決定を迅速に行えるようになります。

活用例

  • Webサイト分析レポートの自動作成:Google Analytics等のデータを収集し、KPIレポートを自動作成
  • 競合分析レポートの自動作成:競合サイトの情報を収集し、市場動向レポートを自動作成
  • 感情分析:SNSの投稿データから顧客の感情を分析し、マーケティング戦略に活用

Difyワークフローのメリット

Difyワークフローには、多くのメリットがあります。 ここでは、特に重要なポイントを解説します。

ノーコードで簡単開発

Difyワークフロー最大のメリットは、プログラミングの知識がなくても、GUI上で簡単にワークフローを構築できることです。

ドラッグ&ドロップの直感的な操作でノードを配置し、線で繋ぐだけで、複雑な処理フローを視覚的にデザインできます。

視覚的に分かりやすい

ワークフローは視覚的に表現されるため、処理の流れが一目瞭然です。

複雑なロジックも、全体像を把握しやすく、修正や改善も容易に行えます。 チームメンバーとの共有や、ドキュメント作成もスムーズに進みます。

高い柔軟性と拡張性

Difyワークフローには、多彩なノードが用意されています。

  • LLM(大規模言語モデル)
  • ナレッジ検索
  • 外部API連携
  • 条件分岐
  • コード実行

など、様々な処理を組み合わせることで、複雑なタスクにも柔軟に対応できます。

また、外部APIやツールとの連携も容易なため、既存システムとの統合や、独自の機能追加も可能です。

業務効率化と費用対効果

ワークフローを自動化することで、時間とコストを大幅に削減し、業務効率を劇的に向上させることができます。

これまで手作業で行っていた定型業務を自動化することで、人的ミスを減らし、よりクリエイティブな業務に集中できるようになります。

また、Difyはセルフホスティングも可能なため、無料で利用を開始できます。 クラウド版も低価格で利用でき、費用対効果が高いのも魅力です。

デバッグが容易

対話型アプリケーションでは、クリック「プレビュー」でデバッグモードの設定となります。

ワークフローアプリケーションでは、クリック「実行」でデバッグモードになります。

Difyワークフローは、テキストベースで処理が記述されているため、エラーが発生した場合でも原因を特定しやすく、修正が容易です。

ログ出力機能も充実しており、ワークフローの実行状況を詳細に確認できます。

スケジューリングとイベントトリガー

Difyワークフローは、スケジューリング機能イベントトリガー機能を備えています。

  • 毎日〇時〇分にワークフローを自動実行
  • 特定のAPIリクエストをトリガーにワークフローを開始
  • ファイルアップロードをトリガーに処理を開始

など、様々な自動実行のニーズに対応できます。

他のツールとの比較

ワークフロー自動化ツールとしては、n8nZapierなどが有名ですが、DifyはAIアプリケーション開発に特化している点が大きな違いです。

ツール特徴ターゲットユーザーAI機能料金
DifyAIアプリ開発特化、ノーコード、LLM連携が容易AI活用したいビジネスユーザー、非エンジニア強力無料プランあり、クラウド版は月額59ドル〜
n8n高度なカスタマイズ性、技術者向けエンジニア、開発者無料 (セルフホスト) 、クラウド版は有料
Zapier幅広いサービス連携、直感的な操作性幅広いユーザー、ビジネスユーザー無料プランあり、有料プランは月額課金

Difyは、ノーコードでAIを活用した高度な自動化を実現したいビジネスユーザーに最適なツールと言えるでしょう。

Tom

AIアプリ作るならDify一択!マジで使いやすい!

Difyワークフローのデメリット

Difyワークフローは強力なツールですが、いくつかデメリットも存在します。

学習コスト

ノーコードとは言え、Difyワークフローを使いこなすには、Difyの操作方法各ノードの機能をある程度理解する必要があります。

ドキュメントやチュートリアルも充実していますが、一定の学習時間は必要となるでしょう。

連携ツール数

Zapierなどに比べると、連携できる外部サービスの数はまだ少ないのが現状です。

しかし、HTTPリクエストノードを使えば、API経由で様々なサービスと連携できるため、工夫次第でカバーできます。 また、Dify自体も連携サービスを拡充していくことが期待されます。

Difyワークフローの使い方:初心者向けステップバイステップガイド

Difyワークフローの基本的な使い方を、初心者の方にも分かりやすくステップバイステップで解説します。

ステップ1:ワークフローの作成

  1. Difyにログインし、「Workflow」画面を開きます。
  2. 「Create from Blank」ボタンをクリックします。
  3. ワークフローの名前を入力し、「Create」ボタンをクリックします。

ステップ2:ノードの追加

  1. 必要なノードをドラッグ&ドロップでワークフロー canvas に追加します。
    • 開始ノード: ワークフローの開始地点
    • LLMノード: 大規模言語モデル(LLM)を利用するノード
    • ナレッジ検索ノード: ナレッジベースから情報を検索するノード
    • 終了ノード: ワークフローの終了地点

ステップ3:ノードの設定

  1. 追加したノードをクリックすると、右側に設定パネルが表示されます。
  2. 設定パネルで、各ノードに必要なパラメーターを設定します。
    • LLMノード: 使用するモデル、プロンプトなどを設定
    • ナレッジ検索ノード: 検索対象のナレッジベース、検索方法などを設定

ステップ4:ノードの接続

  1. 各ノードの出力ポートから次のノードの入力ポートへ線をドラッグして接続します。
  2. ノード同士を接続することで、処理の流れを定義します。

ステップ5:ワークフローの実行

  1. ワークフロー編集画面右上の「Run」ボタンをクリックします。
  2. ワークフローが実行され、結果が実行ログに表示されます。
  3. 実行ログを確認し、ワークフローが意図通りに動作しているか確認します。

ステップ6:公開

  1. ワークフロー編集画面右上の「Publish」ボタンをクリックします。
  2. ワークフローが公開され、API経由で利用できるようになります。

Difyワークフロー主要ノード徹底解説

Difyワークフローでよく使う主要なノードについて、機能設定項目活用例を詳しく解説します。

ノード名説明主な設定項目活用例
開始ワークフローの開始地点。初期パラメータなどを設定。初期パラメータワークフローの開始処理、初期設定
終了ワークフローの終了地点。最終的な出力内容などを設定。出力内容ワークフローの最終結果を出力、処理の完了
回答(チャットフロー)チャットフローにおける回答内容を定義。回答内容チャットボットの回答生成、FAQ応答
LLM大規模言語モデルを呼び出し、質問応答や自然言語処理を実行。モデル、プロンプト、システムプロンプト、パラメータテキスト生成、文章要約、翻訳、感情分析、質問応答
ナレッジ検索ユーザーの質問に関連する情報をナレッジベースから検索。ナレッジベース、検索方法、検索結果の数FAQ検索、ドキュメント検索、社内情報検索
質問分類器ユーザーの質問を分類。分類ルール、分類先ノード質問内容に応じた処理分岐、問い合わせ内容の自動振り分け
IF/ELSE条件分岐処理。条件式、分岐先ノード条件に応じた処理の切り替え、特定の条件を満たす場合のみ処理を実行
コード実行Python / NodeJSコードを実行。コード、実行環境データ加工、外部API連携、複雑なロジックの実装
テンプレートJinja2テンプレートエンジンを利用して、テキスト処理を実行。テンプレート、変数テキストのフォーマット変換、メール本文の生成、レポート作成
変数集約複数の変数を1つにまとめます。集約する変数複数のデータをまとめて次のノードに渡す、データ構造の整理
パラメーター抽出自然言語から構造化パラメーターを抽出。抽出ルール、抽出対象テキストユーザーの発言から必要な情報を抽出、APIリクエストのパラメータ生成
イテレーションリストに対して繰り返し処理を実行。リスト、繰り返し処理内容大量のデータをまとめて処理、リスト内の各要素に対して同じ処理を適用
HTTPリクエスト外部APIにリクエストを送信。リクエストURL、HTTPメソッド、ヘッダー、ボディ外部APIとの連携、Webサービスとの連携、データ取得、データ送信
ツールDify内蔵ツールやカスタムツールを呼び出し。ツール、ツール設定画像生成、図表作成、翻訳など、様々な機能を利用可能、ワークフローの機能拡張
変数代入変数に値を代入。変数名、代入する値ワークフロー内で変数を定義・更新、データの受け渡し
リスト操作リストの操作を実行。リスト、操作内容(追加、削除、結合など)リストデータの加工、リストの要素操作
テキスト抽出文書ファイルからテキストを抽出。ファイル、抽出方法PDFやWordファイルからテキストデータを抽出、文書データをワークフローで処理

Difyワークフロー構築のTips & トラブルシューティング

Difyワークフローをより効果的に活用するためのTipsと、よくあるトラブルとその解決策をご紹介します。

ワークフロー設計のコツ

  • 目的を明確にする: ワークフローを作成する前に、何を自動化したいのか、どんな成果を得たいのかを明確にしましょう。
  • すぐに始めてみる: 最初から複雑なワークフローを作ろうとせず、シンプルなワークフローから始めて、徐々に複雑にしていくのがおすすめです。
  • ノードの役割を理解する: 各ノードの機能を理解し、適切なノードを選択しましょう。
  • エラー処理を考慮する: ワークフローがエラーで停止しないよう、エラーハンドリングを実装しましょう。
  • テストを繰り返す: ワークフローを作成したら、必ずテストを行い、意図通りに動作するか確認しましょう。

ナレッジベース活用術

  • 適切なナレッジベース: ワークフローの目的に合った適切なナレッジベースを選択しましょう。
  • テキストチャンク: ナレッジベースに登録するテキストは、適切なサイズに分割しましょう。Difyのテキストチャンク設定を活用すると便利です。
  • 埋め込み検索とキーワード検索: ナレッジ検索ノードでは、埋め込み検索キーワード検索を使い分けましょう。埋め込み検索は高精度ですが、費用がかかる場合があります。

画像・図表を生成する

Difyワークフローでは、画像生成AI図表作成ツールを組み込んで、画像や図表を自動生成できます。

  • 画像生成: Stable DiffusionやDALL-Eなどの画像生成AIツールをツールノードから呼び出して利用します。プロンプトを工夫することで、様々な画像を生成できます。
  • 図表作成: ChartGeneratorツールを利用すれば、棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフなど、様々な図表を自動作成できます。データ入力方法を工夫することで、動的な図表も作成可能です。

トラブルシューティング:よくあるエラーと解決策

  • ワークフローが実行されない: 実行ログを確認し、エラーメッセージをチェックしましょう。ノードの設定ミスや接続ミスが多い原因です。
  • 意図しない結果になる: 各ノードの設定を見直し、プロンプトやパラメータが正しいか確認しましょう。
  • 外部API連携がうまくいかない: APIの仕様や認証方法を確認し、HTTPリクエストノードの設定を見直しましょう。
Tom

困ったらDifyのドキュメントやコミュニティをチェックしましょう!

Difyワークフロー活用事例集:ビジネスを加速させるヒント満載

Difyワークフローは、様々なビジネスシーンで活用できます。 ここでは、具体的な活用事例を業種・職種別に紹介します。

業種別活用事例

業種活用事例
カスタマーサポートFAQボット問い合わせ対応自動化顧客情報管理自動化
マーケティングコンテンツ生成自動化SNS投稿自動化広告運用自動化
営業見込み客発掘自動化営業資料自動作成顧客フォロー自動化
人事採用プロセス自動化従業員オンボーディング自動化社内FAQボット
EC商品説明文自動生成レビュー分析在庫管理自動化
製造品質管理自動化異常検知サプライチェーン最適化

職種別活用事例

職種活用事例
マーケターコンテンツマーケティング効率化広告効果測定自動化市場調査自動化
営業営業リスト作成自動化顧客管理効率化提案書自動作成
人事採用業務効率化従業員データ管理自動化研修資料自動作成
エンジニア開発環境構築自動化テスト自動化ログ分析自動化
事務データ入力自動化レポート作成自動化スケジュール管理自動化

まとめ:DifyワークフローでAIの力をあなたの手に

Difyワークフローは、AIの力を誰でも手軽に利用できるようにする画期的なツールです。この記事では、Difyワークフローの基本から使い方活用事例までを網羅的に解説しました。

Difyワークフローをマスターすれば、 以下のことが可能になります。

  • 業務効率を劇的に向上
  • コストを大幅に削減
  • より創造的な仕事に集中

さあ、あなたもDifyワークフローでAI自動化の世界へ飛び込み、ビジネスをネクストレベルへと引き上げましょう!

まずは無料のDifyから始めてみませんか?

https://dify.ai/jp


このコンテンツの投稿者

学生時代は生成AIによるアノテーションの研究を行っていた。現在は、AI戦略室でAI関連の開発や事業への活用を担当。 オウンドメディアの担当者を経て、現在はAIエンジニア。

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